こんな先生に出会いたい

私は発達臨床という関係の仕事をしています。そういう関係でいろいろなお子さんに会います。
先日のことです。小学校に上がったばかりの子どもの中に、乱暴で、衝動的で、手に負えない子どもの相談がありました。いろいろ調べてみたのですが知的な遅れもなく、よくわかりませんでした。ところが3ヶ月ほどで、その症状がすっかり消えたのです。
実はその子どもさんは小さいときにお母さんを亡くし、父子家庭で育ちました。保育園で、あたたかい雰囲気の中でやってきたのですが、小学校はそれまでの環境とは何もかも異なり、どう振る舞ってよいのか、きっとすごく不安を感じ混乱したのだと思います。
お父さんは学校にも協力的で、よいお父さんなのですが、お父さん自身、子どもさんとどう接していいかわからなくなるという悩みを抱えておられました。

担任の先生が私にこんな質問をしました。
「ときどき、友だちが側にいなくなると、私の側にぴったり寄ってくるのです。わたしはそんな時そっと抱きしめてあげます。友だちの気配がすると子どもは離れていきます。こんな接し方でいいのでしょうか。」
その子は小学校に入って、新しい環境の中でどうしてよいかわからなくなってしまったのですね。それが行動の荒れにつながったのだと思います。

何という幸運でしょうか。担任の先生にはこの子の気持ちがわかったのです。短い時間でもその子に母性的な接し方をしてあげたことで、子どもは安定したのです。子どもは、みんなのいないところで先生を自分の母として独占できたのです。
これはひいきではありません。その子どもが一番求めていることをわかった先生の正しい接し方だったのです。みんなの前では、赤ちゃん扱いをしないで、一人の生徒として接する。こうしたメリハリのある関係作りは誰にでもできることではありません。
こんな先生に出会えて本当によかったと思います。せめて低学年の間は、この先生の担任でお願いしたいと学校長にお話ししました。

2007年12月05日 11:38 | | コメントを読む (2) | コメントを書く


コメント

確かにこのお子さんはついていましたね。
こんな担任の先生に出会えてよかった。

私は保育士として働いていますが、複雑な家庭環境で育つ子供は増えています。

以前、乱暴な子が入園してきたときも、その家庭環境からか(父親がDV)不安定。母親はあまり気にせず・・・といった様子でした。

甘えさせてあげることで次第にその子の暴力行為は減っていきました。完全に止まったわけではありませんが。
愛情を求めていたのかな!?

Posted by: KT☆ | 2007年12月13日 09:49


どの子どもにとっても愛情は大切なものですね。小さい頃は特に「抱きしめる愛情」が大事かと思います。そこから少しずつ自立できるような「厳しさのある愛情」を与えていけたらと自論ではありますが、考えています。
 先生のコーナーはとても勉強になりありがたく思います!

Posted by: たくや | 2007年12月15日 21:00


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